僕はテーブルマナーで一番大事な事は「相手に恥をかかせない」だと思っている。
作った人に対して敬意を払うという事も大事だが、なによりも「相手に恥をかかせない」事が重要だと思っている。
中学生の時だったと思う。「お金がない!」というドラマで東幹久が財前直美と高級レストランで食事をする際、財前直美がオマールエビの食べ方がわからず、場違いな所に来たと困っていると東幹久が手づかみで食べ「こうやって食べるのが美味しいですよ」という場面をみた。
その時、かっこいいなと思ったのを覚えている。
それから少し経ち社会人にもなり、テーブルマナーもそれなりに覚えた頃、友人と何気なくランチに入ったレストランが少し高めのレストランだった。
二人ともパスタを頼んで友人の方が先にきた。
テーブルにはフォークとスプーンがあったけど友人はフォークだけを使いズルズルと食べ始めた。
近くの客がチラリと、こちらを見たのが分かった。
一瞬「あ!」と思ったが、この時あのドラマの東幹久を思い出し、「ついに、僕にもこの時が来たか!」と思った。
なので僕は少し遅れてきた自分のパスタもスプーンは使わず友人と同じようにフォークだけを使いズルズルと食べた。
「うまいね!」と友人が言ったので「だね」と返した。
時々あの時の事を思い出すけど、あれが正しかったのか間違っていたのかは、今でもわからないけど後悔はしていない。
役職柄、人と会食する事は多いので、あの時の気持ちは忘れないでおこうと思っている。