中学生の時ハリウッドの戦争映画をみた。
何をみたのかハッキリ覚えてないが、
「7月4日に生まれて」か「プラトーン」あたりだと思う。
その映画の中で兵士達が、国に帰ったら何をしたいかと言う話をしていて
兵士の1人が
「俺は帰ったら野球中継とぬるいビールだな」と言った。
そこは冷えたビールでしょ?と僕は中学生ながらに思った。
結局なぜぬるいビールなのかは、わからないまま映画は終わった。
それから随分経って僕も大人になり自分もビールを飲むようになったので、
「野球中継とぬるいビール」の情景を想像してみた。
想像してて気づいたのは、ぬるいビールじゃなくて
ぬるくなったビールだということ。
それを踏まえて考えてみて、分かった。
野球中継とぬるいビール
それは平和そのものだった。
平和でゆったりとした時間。
きっとあの兵士は国に帰って平和に過ごす。
それが言いたかったんだと思った。
何年か前に学生時代の友人と中目黒にある小さな店で
瓶ビールをダラダラ飲みながら、ゆっくりと過ごした事がある。
あの時間も平和だったなと思った。
あれから僕の中でぬるくなったビール=平和な時間という認識になり、
ぬるくなったビールをダラダラ飲むのが好きになった。