「君はこれからたくさん怒られると思うけど、
それはみんなが君に期待しているからだからね」と
社会人初日に会社の先輩に言われた。
その先輩の言う通り、毎日メチャクチャ怒られた。
何をするにでも怒られるので、
息をしても怒られるんじゃないかと思うぐらいだった。
誤解しないでほしいのは、仕事が出来ないからと言って
怒るような会社ではなく、当時の僕は敬語もまともに話せない程、
世間知らずで今思い出してもどうしようもなかった。
多分先輩はそんな僕をみて、これからのことを見越して
あのように言ったんだと思う。
特に怒られたのはお姉さま達からだった。
女性の多い職場だったので、気の利かない僕はよく怒られた。
一度仕事のメモを取ろうと紙がなかったので
手に書いているとお姉さま達の1人に睨まれた。
「塚田くん、その手をお客さんが見たらどう思う?」と聞かれたので
「一生懸命仕事してるな〜とかですか?」と答えたら
「きたないってしか思わないわよ!!」と怒られた。
なるほど、そうなんだと思い
あれ以来一度も手にメモは書いてない。
そんな具合に、いつも怒られていたが
実は僕は先輩の「期待されてる」の言葉を
鵜呑みにしていたので全く落ち込んだりしなかった。
今考えると本当にあの言葉はありがたかった。
そしてお姉さま達も注意された事を直すと、とても喜んでくれた。
また何かと気遣ってくれて
僕がいつも同じネクタイをしてるからといって
ネクタイやワイシャツをプレゼントしてくれた事もあった。
よく人に外国にいたからだとか仕事柄「気が利く」と
言われるが、それは全く違って全てお姉様たちのおかげです。